都会のゴミは過疎地に

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豊島に持ち込まれた産廃は、すべて都市生活や工場が生み出したものでした。最大の量を占めるシュレッダーダストは自動車の破砕くずです。電化製品やプラスチックごみも捨てられています。廃油や廃酸は工場から出されました。
これらの廃棄物を適正に処理するためには多額の費用がかかります。一番安い処理方法は、「過疎地にそのまま捨てる」ことでした。豊島に都会のゴミが持ち込まれたのは偶然ではありません。豊島に限らず過疎地での不法投棄は今も続いています。

廃棄を考えない大量生産・大量消費

大量消費は大量廃棄

大量生産・大量消費によって、一見すると便利な世の中になりました。しかし、大量生産・大量消費は必ず大量廃棄をともないます。
生み出された大量の廃棄物を処分できる場所は限られており、いずれ廃棄物は溢れ出します。
そもそも大量生産・大量消費のシステムに問題があったのではないか。豊島とも関わりの深い環境経済学者の植田和弘氏はつぎのように語っています。「廃棄物の最終処分ができない技術は生産の資格がない。必ず無責任になり、被害者を産む」(2012年6月2日朝日新聞)

豊島事件を契機に日本の社会構造に問題があるとの認識が広がっていきました。